諒闇の年ばかり、あはれなることはあらじ。
倚廬の御所のさまなど、板敷を下げ、葦の御簾を掛けて、布の帽額あらあらしく、御調度どもおろそかに、皆人の装束・太刀・平緒まで、異様なるぞゆゝしき。
皇帝がおとうさんおかあさんの喪に服している年ぐらい、北風のように淋しい気持ちがすることはないだろうね。
その時に籠もる建造物の様子は床板を下げて、足で作ったすだれを垂らして、その上に貧乏くさい布をかぶせて、家具なども適当に済ませて、そこにいる人たちの着ているもの、刀、刀に付ける飾りなどが、いつもと違うのは物々しく感じられる。
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