どんなことでも要領よくこなせる人だとしても、妄想したりエッチなことを考えない男の子は、穴が空いたクリスタルグラス(※注1)みたいでシャンパーニュがこぼれてしまうように、つまらないしドキドキしない。
明け方、水滴を身にまとい、よたよたと千鳥足で挙動不審に歩いたりして、おとうさん、おかあさんの言うことも聞かず、近所のひとにばかにされても、何でばかにされているのか理解できず、どうしようもないことを妄想してばかりいるくせに、なぜだか間が悪く、ムラムラして寝付けずに一人淋しく興奮する夜を過ごすのは、得体の知れない快感があるのではないか。
とはいっても、がむしゃらに恋に溺死するのではなくて、女の子からは「節操のない男の子だわ」と思われないように注意するのが、ミソである。
■注
(※注1 『禁秘抄』より。第二段参照)