源雅清さんのお子さんで、行雅僧徒という、密教の教理を勉強している学生たちの先生をやっていた坊さんがいた。すぐに逆上する病気で、年がら年中のぼせていた。だんだん老人になるに連れて、鼻が詰まってきて呼吸困難になった。いろんな治療は一通りやったが、よけいにひどくなってきた。ついには目と眉とひたいもやたらと腫れてあがってきて、顔をおおってしまったので、視界がふさがり、変なお面(※注1)みたいに見えてきた。すごくおっかない鬼みたいな顔になって、目ん玉は頭のてっぺん、おでこが鼻になっている。最後は坊主の住みかに住んでいる坊さんたちにも顔を見せたくなくなって、どこかに籠城していたけれど、何年かたったら本当にひどくなって死んでしまった。
変わった病気もあるものだ。
■注
(※注1 土着民、二人組の踊りに使われるお面のうち、顔が腫れているほうのお面)