住まいの作り方は、夏のことを考えて作るのがよい。冬ならばどんなところにも住もうと思えば住めるからである。暑いときの作りが悪い家は、我慢ならない。
家に深い川を作って水を流すのは、涼しそうではない。浅く流れているほうが、はるかに涼しく感じられる。細かい物を鑑賞するときは、開き戸(※注1)の部屋のほうが、戸がそのまま、吊せてひさしになる(※注2)部屋よりも明るい。天井の高い部屋は、冬は寒く、照明は暗い。大工工事をするとにきは、必要ないところを作り込んだほうが見た目にもゴージャスで、かえって色々なことに役立つのではと、誰かが相談し合っていた。
■注
(※注1 「遣戸」は左右に引いて開け閉めする扉。ふすまのような構造をしている)(※注2 「蔀」は上下に開け閉めする扉。上にあけると戸がそのまま日射しよけになる)