後七日の阿闍梨、武者を集むる事、いつとかや、盗人にあひにけるより、宿直人とて、かくことことしくなりにけり。一年の相は、この修中のありさまにこそ見ゆなれば、兵を用ゐん事、穏かならぬことなり。
正月の八日から七日間にわたって行われるお祈りの時、お坊さんたちを束ねて指導する先生が兵隊を集めたのは、いつのことだったか、泥棒に襲撃されてから、警備員という呼び方だったのが、こんなに物々しい感じになってしまったのだ。「一年の計は元旦にあり」で、このお祈りの結果に見えてくると言うぐらいの大切な行事なのに、兵隊を配備させているので厳粛な感じがしないのであった。
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